Home > 企業のメンタルヘルス対策〔TOP〕 > 過重労働による健康障害防止のための総合対策について
| 1 目的
長時間にわたる過重な労働は、疲労の蓄積をもたらす最も重要な要因と考えられ、さらには、脳・心臓疾患の発症との関連性が強いという医学的知見が得られている。 都道府県労働局及び労働基準監督署は、集団指導、監督指導、個別指導等のあらゆる機会を通じて、リーフレット等を活用した周知を図るとともに、キャンペーン月間の設定等により、事業者が講ずべき措置の内容について、事業者に広く周知を図ることとする。 3 過重労働による健康障害防止のための窓口指導等 (1)36協定における時間外労働の限度時間に係る指導の徹底 ア 労働基準法(昭和22年法律第49号)第36条に基づく協定(以下「36協定」という。)の届出に際しては、労働基準監督署の窓口において次のとおり指導を徹底する。 (ア)「労働基準法第36条第1項の協定で定める労働時間の延長の限度等に関する基準」(平成10年労働省告示第154号。以下「限度基準」という。)に規定する限度時間を超える36協定については、限度時間を遵守するよう指導を行う。特に、限度基準第3条ただし書又は第4条に定める「特別の事情」を定めた36協定については、この「特別の事情」が臨時的なものに限られるものとするよう指導する。また、過重労働による健康障害を防止する観点から、限度時間を超える一定の時間まで延長する労働時間をできる限り最小限のものとするようにリーフレット等を活用し指導する。 イ 限度基準に規定する限度時間を超える36協定について、労働者代表からも事情を聴取した結果、労使当事者間の検討が十分尽くされていないと認められた場合などには、協定締結当事者である労働者側に対しても必要な指導を行う。 (2)裁量労働制に係る周知指導 裁量労働制に係る届出に際しては、労働基準監督署の窓口において、リーフレット等を活用して、事業者が講ずべき措置の内容を周知指導する。 (3)労働時間等の設定の改善に向けた自主的取組の促進に係る措置 限度基準に規定する限度時間を超える時間外労働を行わせることが可能な36協定を締結している事業場であって、労働時間等の設定の改善に向けた労使による自主的取組の促進を図ろうとするものに対し、都道府県労働局に配置されている労働時間設定改善コンサルタントの活用が図られるよう措置する。 4 過重労働による健康障害防止のための監督指導等時間外・休日労働時間(休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間をいう。以下同じ。)が、月45時間を超えているおそれがある事業場に対しては、次のとおり指導する。 (1)産業医、衛生管理者、衛生推進者等の選任及び活動状況並びに衛生委員会等の設置及び活動状況を確認し、必要な指導を行う。 (1)過重労働による業務上の疾病を発生させた事業場に対する再発防止対策の徹底の指導 過重労働による業務上の疾病を発生させた事業場については、当該疾病の原因の究明及び再発防止の措置を行うよう指導する。 (2)司法処分を含めた厳正な対処 過重労働による業務上の疾病を発生させた事業場であって労働基準関係法令違反が認められるものについては、司法処分を含めて厳正に対処する。 |
1 趣旨 長時間にわたる過重な労働は疲労の蓄積をもたらす最も重要な要因と考えられ、さらには、脳・心臓疾患の発症との関連性が強いという医学的知見が得られている。働くことにより労働者が健康を損なうようなことはあってはならないものであり、当該医学的知見を踏まえると、労働者が疲労を回復することができないような長時間にわたる過重労働を排除していくとともに、労働者に疲労の蓄積を生じさせないようにするため、労働者の健康管理に係る措置を適切に実施することが重要である。 (1)時間外労働は本来臨時的な場合に行われるものであり、また、時間外・休日労働時間(休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間をいう。以下同じ。)が月45時間を超えて長くなるほど、業務と脳・心臓疾患の発症との関連性が強まるとの医学的知見が得られている。このようなことを踏まえ、事業者は、労働基準法(昭和22年法律第49号)第36条に基づく協定(以下「36協定」という。)の締結に当たっては、労働者の過半数で組織する労働組合又は労働者の過半数を代表する者とともにその内容が「労働基準法第36条第1項の協定で定める労働時間の延長の限度等に関する基準」(平成10年労働省告示第154号。以下「限度基準」という。)に適合したものとなるようにするものとする。 事業者は、年次有給休暇を取得しやすい職場環境づくり、計画的付与制度の活用等により年次有給休暇の取得促進を図るものとする。 4 労働時間等の設定の改善 労働時間等の設定の改善に関する特別措置法(平成4年法律第90号)第4条第1項に基づく、労働時間等の設定の改善に適切に対処するため必要な事項を定める労働時間等設定改善指針については、平成19年12月に策定された「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」及び「仕事と生活の調和推進のための行動指針」の趣旨を盛り込むべく改正し、平成20年4月1日から適用されたところである。このため、事業者は、過重労働による健康障害を防止する観点から、改正後の労働時間等設定改善指針に留意しつつ、必要な措置を講じるよう努めるものとする。 5 労働者の健康管理に係る措置の徹底 (1)健康管理体制の整備、健康診断の実施等 ア 健康管理体制の整備及び健康診断の実施 事業者は、労働安全衛生法に基づき、産業医や衛生管理者、衛生推進者等を選任し、その者に事業場における健康管理に関する職務等を適切に行わせるとともに、衛生委員会等を設置し、適切に調査審議を行う等健康管理に関する体制を整備するものとする。 イ 自発的健康診断受診支援助成金の活用等 事業者は、深夜業に従事する労働者を対象とした自発的健康診断受診支援助成金制度や血圧等一定の健康診断項目に異常の所見がある労働者を対象とした二次健康診断等給付制度の活用について、労働者への周知に努めるものとするとともに、労働者からこれらの制度を活用した健康診断の結果の提出があったときには、その結果に基づく事後措置についても講ずる必要があることについて留意するものとする。 (2)長時間にわたる時間外・休日労働を行った労働者に対する面接指導等 ア 医師による面接指導等の実施等 (ア)事業者は、労働安全衛生法等に基づき、労働者の時間外・休日労働時間に応じた面接指導等を次のとおり実施するものとする。 [1] 時間外・休日労働時間が1月当たり100時間を超える労働者であって、申出を行ったものについては、医師による面接指導を確実に実施するものとする。 (イ)事業者は、労働安全衛生法等に基づき、面接指導等の実施後の措置等を次のとおり実施するものとする。 [1] (ア)の[1]の医師による面接指導を実施した場合は、その結果に基づき、労働者の健康を保持するために必要な措置について、遅滞なく医師から意見聴取するものとする。また、その意見を勘案し、必要があると認めるときは、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少など適切な事後措置を講ずるものとする。 イ 面接指導等を実施するための手続等の整備 (ア)事業者は、アの面接指導等を適切に実施するために、衛生委員会等において、以下の事項について調査審議を行うものとする。また、この結果に基づく必要な措置を講ずるものとする。 [1] 面接指導等の実施方法及び実施体制に関すること。 (イ)事業者は、アの(ア)の[1]及び[2]の面接指導等を実施するに当たっては、その実施方法及び実施体制に関する事項に、 [1] 労働者が自己の労働時間数を確認できる仕組みの整備 ウ 常時50人未満の労働者を使用する事業場の対応 常時50人未満の労働者を使用する事業場においても、ア及びイの措置を実施する必要があるが、アについては、近隣に専門的知識を有する医師がいない等の理由により、事業者自ら医師を選任し、面接指導を実施することが困難な場合には、地域産業保健センターの活用を図るものとする。 (3)過重労働による業務上の疾病を発生させた場合の措置 事業者は、過重労働による業務上の疾病を発生させた場合には、産業医等の助言を受け、又は必要に応じて労働衛生コンサルタントの活用を図りながら、次により原因の究明及び再発防止の徹底を図るものとする。 ア 原因の究明 労働時間の適正管理、労働時間及び勤務の不規則性、拘束時間の状況、出張業務の状況、交替制勤務・深夜勤務の状況、作業環境の状況、精神的緊張を伴う勤務の状況、健康診断及び面接指導等の結果等について、多角的に原因の究明を行うこと。 イ 再発防止 上記アの結果に基づき、衛生委員会等の調査審議を踏まえ、上記2から5の(2)までの措置に則った再発防止対策を樹立し、その対策を適切に実施すること。 |